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「数字=説得力」のハッタリ力 ハイビームとロービームの事故率に思う

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ふと目に止まったニュース。

 

”歩行者が夜間に道路を横断中、車にはねられた死亡事故うち、
 96%の車のライトがロービームだったことが警察庁の調査でわかった”
読売ONLINE より引用)

 

なるほど。
ハイビームにしていないと横断者に気づかず、事故につながりやすいのか。

 

……ん? 何かおかしいぞ。

 

そもそもハイビームで走っている車ってすごく少なくないか?
街頭も少なく、対向車もほとんど来ないところでないかぎり
ハイビームで走ることは、まずない。
真後ろの車がハイビームだと、ちょっと迷惑だったりするし、
ハイビームの車同士がすれ違う際、
ハレーションという光の作用により歩行者の姿が消えてしまうなどもあり
少なくとも市街地では、ハイビームはあまり推奨されていないはずだ。
事故を起こした車の96%がロービームだったというが
そもそも夜間に走行する車の96%以上がロービームなのではないか?

 

この書き方では、ハイビームで走行していて事故を起こした車と
ロービームで走行していて事故を起こした車の事故率の差が分からない。
それでも「96%」という数字を見せられてしまうと、
一瞬「そうか!」と納得してしまうあたりに、数字の説得力を感じる。
すばらしいハッタリ力だ。

 

同種の数字のハッタリとしては
「このクラスに属する学生の、およそ半数が女性である」とか
「1年のうち、およそ14%が日曜日である」というものが存在する。

 

 

余談ではあるが、
道路運送車両法ではハイビームは走行用前照灯と呼ばれている。
つまり本来ならば、夜間の走行ではハイビームを使用し、
対向車が多かったり前走車のある場所ではロービームに切り替える
という考え方になっているそうだ。

最近では市街地も明るくロービームでも安全に走行しやすい。
そのためロービームをスタンダードにしてしまっているドライバーも多く、
警察庁では交通安全運動でハイビームの使用を呼びかけようとしているそうだ。
あえてインパクトを狙うために「96%の車がロービームだった」と発表したのかもしれないが
せっかくならば、
ハイビームでの事故率と、ロービームでの事故率をそれぞれ発表してほしかった

 

 

 

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