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「『これだからママは』と言われないように」という言葉

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『これだからママは』と言われないように

仕事をしている女性が発信する言葉の中に
「『これだからママは』と言われないように」という言葉が含まれることがある。
『これだからママは』と言われないように病児保育を万全に手配する
『これだからママは』と言われないように全力で働く、などなど。

すごい頑張っているなーと思う。
自分も頑張らなきゃなーとも思う。
でも同時に、ものすごく変な居心地の悪さも感じる。
何だかしっくりこない。
色々考えてみて理由が分かった。
「『これだからママは』と言われないように」という言葉は、
「ママだから」という理由で下に見られる状況を当たり前と受け止め、
自分もその一員であると認めている言葉のように、私には思えたからだ。

 

「女」を揶揄する言葉とそれに対する反応

少し話は変わるが、こんな話を知っているだろうか?
これから出掛けなければならない女性の車のエンジンが掛からないときの話だ。

男性に電話で「エンジンが掛からない」と訴える女性。
男性はバッテリー上がりを疑い「室内灯は点くか?」などの質問を繰り返す。
しかし女性は男性の質問には答えず「このままじゃ困る」とばかり繰り返す。
平行線をたどる会話。
結局のところ、理論的に原因を追求して問題を解決しようとする男性と
理論よりも共感を求め、
男性に車を出させようとしているクセにハッキリ言わない女。
そういう揶揄が込められている話である。

 

確かに、女性にはそういう側面もあるのかもしれない。
そんな風に振る舞う女性もいるのかもしれない。
でも、これを聞かされた現実の女性はどう思うだろう?
「いやいや、自分は違うから」
そういう風に思う女性が多いんじゃないだろうか。
そして口に出して言うかどうかは別として
「『女はこうだ』ってよりは、その人がちょっとおかしいだけでしょ」
そう考える女性が多いんじゃないかと、私は勝手に予想している。
そしてそういう現実の女性たちは、きっとごく当たり前に言うのだ。
「車出してほしいならフツーに『車出して』って言う」
「そもそも男になんか電話しない。自分で対処する」

 

「ママ」というカテゴリー

キモはここである。
まあ確かにそういう女性もいるのかもしれないけれど、とは思っても
「自分は違う」
「『女はこうだ』ってよりは、その人がちょっとおかしい」
そう言い切る。
そしてごく自然に「車出して」と言ったり、自分で対処したりする。
別に「これだから女は」って思われたくないからと言いながら
次の行動を選ぶ訳ではない。

 

何でこれがママに置き換わった途端に
「『これだからママは』と言われたくないから」になるんだろう。
それでは『これだからママは』と揶揄されるようなママを
しょせんママなんてそんなもんだと認めていることにならないか?
「『これだからママは』ってよりはその人のやり方が少しおかしい」
そう言い切ってしまったほうが、何かさっぱりすると私は思うのだ。

でも、どうして「その人がおかしい」と言い切るのが難しいかというと、
実際ママで働くというのは結構大変で、
「これだからママは」と言われてしまうママと、
そう言われない、
ちゃんとできるママの違いは紙一重でしかないことが原因なのだろう。
実際、私も会社員時代、
子供の急な入院で大事な会議を休んでしまったことがあった。
もし入院したのが子供ではなく旦那で、

同じように休まなければならなかったとしても
理由が子供になった途端に「これだからママは」と言われてしまうのが現実だ。
その紙一重の恐怖感が「その人がおかしい」と言い切るのではなく
「『これだからママは』と言われたくないから」という言葉にさせるのだと思う。
また、やはり子を育てるというのはエネルギーの要るもので
子供を持つ以上「ママである」という意識から逃れられない
あの「ママ」と自分は別物ではあるけれど
「女」である以上に「ママ」の方が「同じもの」という気持ちがあるのだろう。

 

否定することで際立つもの

難しい問題だ。

受けた仕事は責任を持ってやる、リスクヘッジもする。
それは前提ではあるけれど、
もう少し肩の力を抜いても良いんじゃないかな、と私は思う。
だって、先にも書いたが
「『これだからママは』と言われたくないから」と頑張るということは
『これだからママは』と揶揄されるようなママを
ママなんて所詮そんなもんだと認めていることになるような気がするのだ。
それに何よりも「私はママなんだ」と主張しているように思えるのだ。
この違和感を解決するのにどうすれば良いか、私には分からない。
でもどうせ人である以上、ありとあらゆるリスクをなくすことはできない。
ならば私は、ママだ何だというよりは「私」という一人の人間として
仕事で出会う人と話をしたいと思っている。
コイツ駄目だ……そう思うなら、それはママではなく私の問題。
そう思ってもらったほうが、結局気楽だからだ。


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