相関と因果と理系
相関と因果
相関と因果の違い。
平たく言うと、相関とは何かの値が変化するともう一方の値も変化するもの。
因果とは何かがあるから他の何かが変わるもの。
時にこの2つは混同して扱われる。
分かりやすく例を挙げてみよう。
身に着けている腕時計の値段と、社会的な成功度合だ。
これは相関関係を示すだろう。
だが高い腕時計を持っているからといって、社会的に成功する訳ではない。
つまり、ここに因果関係はない。
朝食と成績の話
よく言われる「朝食を毎日食べる子のほうが成績が良い」
確かに朝食を摂るか摂らないかと、成績には相関があるのだろう。
だが朝食と成績の間にはどんな因果関係があるのだろうか。
一説によると朝食をとった方が、頭が働くエネルギーが補給できるからだとか?
おそらく現実的には
「朝食を毎日食べる」という生活習慣が意識されている家庭の方が、
全体的に見て子供の教育に対する関心が高く、
結果として成績が上がるのではないだろうか。
そして本当に、朝食と成績には本当に因果関係はあるのだろうか。
朝食を摂る習慣がない子供達に、
家庭環境や学習環境を変えないまま朝食だけを与えて成績が伸びたなら、
そこではじめて因果関係は証明される。
しかし、そのような実験の結果は公表されていない。
つまり朝食と成績の因果関係は証明されてはいないのだ。
理系の性
なぜこんな事を書き始めたかというと、
子供の教育関係のパンフレットに、朝食と成績の話が載っていたのだ。
朝食を食べる子は成績が良い→だから朝食を食べられるように生活習慣を整えましょう
という内容だ。
そう言われて「なるほど、じゃあちゃんとしないとな……」と思える保護者は
きっと子供の教育に対する関心が高いほうなのだろう。
朝食を用意し、子供の生活習慣に意識を向け、
子供の学習環境を整え、子供のテストの結果に興味を示すのだろう。
要は朝食を食べさせましょうという内容なので、それでOKだと言われればそれもそうだ。
つまり、取り立ててどうこう言わねばならぬ内容ではない。
だがちょとだけ気になったのだ。
提示されているデータの根拠が薄いのではないか……と。
これがメンドクサイ理系人間そのものである。
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