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鳥人間コンテストをもっと楽しく見る方法

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今日は8月31日。
待ちに待った鳥人間コンテストの放送日である。
そこで今日は、鳥人間コンテストとゆかりの深い私から
放送をより楽しむためのポイントをお伝えしたい。

まず、鳥人間コンテストは次の3つの部門に分かれている。
・滑空機部門
・タイムトライアル部門
・ディスタンス部門
この3つの部門ごとに楽しむべきポイントが少々異なるのだ。
各部門の特徴とポイントは次のようになっている。

【滑空機部門】
特徴
滑空機、すなわち動力を持たない飛行機の部門である。
早い話が、人が乗る大きさの紙飛行機みたいなものだ。
プラットホームから飛び出し、空を滑って着水する。

見どころ
機体そのものに動力がないため、
プラットホームからの飛び出し方がポイントとなる。
最も理想的な飛行方法としては
プラットホームから飛び出した後、まずは機首を下げ、
下降(機体を落とすこと)によって機体を加速させる。
そして水面スレスレで機首を水平に戻し、
下降で得た速度を保ったまま飛行する方法だ。
ゆえに、実力のあるチームの飛行は、
まさに水面ギリギリの、スリルある戦いになるのである。
因みにこの時、荻原次晴氏による「上げろ上げろ」という声が入るが
機首を上げてしまっては機体が減速し、飛行機は落ちてしまう。
上げたくても上げられないのではなく、上げてはいけないのだ。
正しくは「耐えろ耐えろ」だと思っていただきたい。
【タイムトライアル部門】
特徴
人力飛行機の速さを競う部門である。
プロペラをもつ飛行機をパイロットが漕いで飛ばす。
プラットホームから離陸し、
500m先にあるポールを回って戻ってくるまでのタイムを競うのだ。
不思議なことに、この部門の存在は意外と知られていない。

見どころ
ここに挑戦してくるのは500m先ポールまで往復できる
1km飛行することができるという自信のあるチームがほとんどである。
そのため、ディスタンス部門に比べ、挑戦者達の平均レベルが高めだ。
人力飛行機として完成度の高い機体のラインナップが第一の見どころである。
もう一つの見どころとしては、やはりポールを回る旋回(ターン)だ。
突然だが、自転車で走りながらUターンをする時のことを考えてもらいたい。
ある程度の速度を保ったままターンしようと思った場合
身体の重心をターンの内側に向けて、自転車を傾けて曲がるだろう。
実は飛行機も同じなのだ。
旋回(ターン)の際には機体をターンの内側に傾ける。
だがしかし、駄菓子。
自転車も速さと傾きのバランスが悪ければ内側に倒れてしまうのと同じように
飛行機も、速さと傾きのバランスが悪ければ内側に向けて落下してしまう。
また左右に長い翼を持っているため、
傾け方と高度によっては、片方の翼が水面に触れてしまう。
ゆえに、この部分が大変に難しいのだ。
各チームがポールの旋回をどのようにこなすのか、
ぜひ目を皿のようにしてご覧いただきたい。
【ディスタンス部門】
特徴
プロペラを持つ飛行機の飛距離を競う部門である。
最もメジャーな部門であり
「鳥人間コンテスト」というと、多くの人がこの部門を思い浮かべる。

見どころ
長距離を飛ぶためにはやはり、
パイロットがどれだけ耐えられるかが大きなポイントとなる。
パイロットの体力が限界に近づき、
水面スレスレで耐え続ける様子は、ハラハラドキドキだ。
そしてたった1人のコックピットで、孤独な戦いに挑むパイロット。
その表情や頑張りは、きっと見る人の胸を熱くするに違いない。
また、番組ではあまりフォーカスされないが、
パイロットを応援するチームメイト達は、
1年~それ以上の期間をかけて、自らの手で飛行機を作り上げてきた者達だ。
わが子のような飛行機の行く末を見守る表情にも、ぜひ注目していただきたい。
3部門それぞれの楽しみ方がある鳥人間コンテスト。
(いくつになっても)青春そのものを映す、あの番組は
今夜7時から放送である。
ぜひ見て、応援し、コンテストに出場する人達の心に思いをはせてほしい。

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