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バリ取り不良

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プラスチックハンガー

通販で買った服についていたプラスチックハンガー。

ごく普通のハンガーに見える。

しかし、私は発見した。

 

おや?

バリ取り不良2

 

おやおや?

バリ取り不良

 

バリ取り不良である。

 

プラスチック製品というのは、

加熱して溶かした樹脂を金属の型に流し込んで形を作る。

このとき、出来上がった製品を取り出せるように

金属の型は2つ(またはそれ以上)に分かれ、開閉できるようになっている。

この型の合わせ目がキレイに合っていないと、バリと呼ばれるものが発生するのだ。

 

イメージとしては、たい焼きの「羽根」や

南部せんべいの周りに出ている薄い部分を想像してもらえるといいだろう。

金型の調整が上手く行っていないと、

プラスチックでもああいうものが出てしまうのである。

 

出てしまったらどうするか。

方法はいくつかある。

一つは金型を直すこと。

大きなバリが出るということは、

金型の合わせ目がキレイに合っていないということだ。

なので、ここがピッタリと合うように直すのである。

しかしこの方法には一つ問題がある。

金属の型というのは、とても精密にできている。

これを直すというのは時間も費用もかかってしまう。

大量生産を続けている現場では、この修正を行うのが難しいこともあるのだ。

 

そこで試されるのが成型条件を見直すという方法だ。

例えば金型に樹脂を流し込む圧力を低くしたり、

樹脂(金型)の温度を下げて、樹脂の流れを悪くすれば

わずかな隙間に流れこむ樹脂の量は減りやすくなる。

よってバリは軽減される。

しかしこの方法では、他の場所が綺麗に成型できなくなる場合がある。

 

そして取られる最終手段。

物理解決。

発生してしまったバリをカッターなどで切り落とす方法だ。

バリ取り不良

この画像を見ると、

クルっと巻き上がった部分の上に、何か削り取られたような痕があるのが分かるだろう。

つまりこの部分がカッターの刃などで削り取られたのだ。

 

本当ならばバリをきれいに削り落とし、

このような痕跡が残らないようにするのが理想だ。

だが、相手は衣類の付属品でしかないプラスチックハンガーだ。

衣類を傷つけたりしなければ特に問題はないのだ。

きっと見た目の検査基準は、あまり厳しくなかったに違いない。

「バリは取ったからOK!」で通ってきたのだろう。

 

 

身の回りの工業製品を観察していると

たまに、こんなエピソードを垣間見ることができるのである。

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