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現役ライターが教える!実例つき読書感想文のコツ 

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学年別 読書感想文の基本スタイル

一般的に「良い」と評価される読書感想文には一定のスタイルがある。
このスタイルは次のように構成されている。

読書感想文の基本スタイル

1.感銘を受けた(印象に残った)場面の紹介
2.その場面から何を感じたか
3.なぜ「2」のように感じたか
4.「2」のように感じたことで、自分はどうしたい(どう生きたい)と思ったか
5.「4」をするために、自分はこれから何をするのか

これが読み手に分かりやすく、かつ書きやすい構成だ。
学年によって、この構成のどこまでを書くかが変わる。

低学年
4番までで十分。4番も軽くひとこと触れるくらいでいい。

高学年
4番まで書きたい。低学年に比べて2番と4番をしっかり書くのがポイント

中学生
4番までしっかりと書こう。さらに上を目指すなら5番まで書けるといい。

 

読書感想文の考え方のコツ

基本スタイルに沿って書くための、考え方のコツは次のようになる。
できれば紙と鉛筆を用意して、それぞれの質問の答えを書いていってほしい。

読書感想文を書く前に考えたいこと

1.この本で「すごかった」「面白かった」「びっくりした」のはどこ?
2.その部分を読んだときに、どう感じた?
3.なんで「すごい」「面白い」「びっくり」って思ったの?
4.そこを読んで「こんな風になりたいな」って思ったことはあった?
4-2.なんでそう思ったの?
5.「こうしたい」をするために、今からできることは何?

この質問の番号は、上の基本スタイルとリンクしている。
質問に答えることで、基本スタイルの同じ番号の部分に書く内容が出てくる。
質問に答えていくのも、基本スタイルと同じように
小学生なら4まで。中学生なら4-2や5までの質問に答えてほしい。

 

読書感想文を書くコツ

質問の答えがそろったら、いよいよ作文を書いていく。
紙に書いてもらった質問の答えを、少しづつふくらませていくのが基本だ。
ふくらませるコツは次の通り。

1.印象に残った場面を簡単に説明する。
「誰が、どうして、何をしたのか」くらいがあれば十分
本のあらすじ全部を書こうとしないこと

2.どんなふうに「すごい」「面白い」「びっくり」と感じたのかを書く。
例えば「こんな時にそんなことを思いつくなんてすごい」とか
「ハラハラドキドキする感じがして面白い」など。
ここはそれほど長く書く必要はない。

3.「2」で感じた理由を自分や、自分が最初に予想したことと比べながら説明してみる。
例えば「私は怖がりだから、お話の中の子みたいには考えられない」とか
「私はこの子が怒って泣き出すんじゃないかと思ったのに笑ったから」など。
読書感想文で一番大事な場所になるので、分かりやすく説明する。

4.「2」の場面の登場人物の行動を比べて「どうしたいか」を書く
例えば「◯◯のように勇気をもって行動したい」とか
「◯◯のようにいきなり怒鳴ったりせずに話を聞くようにしたい」など。
作文は自由だけど、あまり無茶なことを「したい」とは書かないように。

4-2.今の自分のことを考えて「4」をしたらどういう変化が起きそうか書く。
例えば「私はカッとなるとすぐに怒鳴ってしまうけれど、
話を聞くようにすることで、もっとみんなと分かり合えるようになると思ったから」
といった感じ。

5.ここはひとことで十分なので、膨らませる必要はない。

1から順番に膨らませながら書いていけば、
小中学生の作文の文字数ならば、これで十分に書けるはずだ。

読書感想文実例

上記の手法で読書感想文を書いてみた。
題材として使用したのは、誰でも内容を知っている「ももたろう」だ。

1.
ももたろうで一番面白かったのは、鬼退治の場面です。鬼ヶ島で桃太郎が犬、さる、きじと一緒に鬼と戦うのです。 

2.
私は最初、桃太郎は鬼に勝てないかもしれないと思いました。なぜなら、鬼ヶ島にはこわい鬼がたくさんいるのに、桃太郎は3匹の動物しか連れていないからです。もし私が桃太郎なら、人間のなかまを増やすとか、犬やさるに友達を連れてきてもらってから鬼ヶ島に行きたいと思います。でも桃太郎はそうしませんでした。それでも鬼に勝ってしまったので、本当にすごいと思いました。

3.
桃太郎たちが鬼に勝てたのには理由があります。それは、桃太郎も犬も、さるも、きじも、みんな自分の得意な戦い方をしていたことです。桃太郎は刀で鬼を切り、犬は鬼にかみつきました。さるも木から木へと飛び回るみたいに鬼の間を飛び回って、鬼の顔をひっかいていました。ほかの動物より弱そうに思えたきじも、空を飛びながら鬼の目をつっついていました。
桃太郎は刀を使うことができるけど、犬のようにかみついたり、さるみたいに飛び回ったり、きじみたいに空から鬼を攻撃することはできません。動物たちは桃太郎のように刀をもつことができません。でも桃太郎たちは、自分にはできないことに目を向けるのではなく、自分なら何ができるかを考えて行動することで、鬼を退治することができました。それぞれが得意なことを上手く生かすことで、一つのチームとして大きな力になったのだと思います。

4.
私は文章を書くのが得意です。でも絵はあまり上手ではありません。この前もクラスで運動会の準備をしていた時、クラスのポスターを作る係になったけど、上手くかくことができなくて、みんなに迷惑をかけてしまいました。失敗をしてしまったことで、私はクラスの役に立てていないような気がして、とても悲しくなりました。絵が苦手なことは分かっていたのに、できないと言うのが恥ずかしくて、無理をして引き受けてしまったのが原因です。
でも桃太郎が刀は使えても、かみついたり飛んだりできないように、私にも得意なことと苦手なことがあるのは当たり前のことで、本当は恥ずかしく思う必要はないことでした。ポスターを作る係を決めていた時に「私は絵が苦手だから、他の人にお願いしたいです。代わりにクラスの紹介文を書かせてください」というように話せれば良かったのだと思います。そうすれば桃太郎たちが鬼を退治したときのように、クラスの人たちの得意なことが上手く活かせたのだと思います。

5.
私も桃太郎たちのように、苦手なことに目をむけて「できない」と小さくなるのではなく、得意なことをいかしてクラスの役に立てるようになりたいです。

 

文章をふくらませるコツを理系的に考える

私はライターとしては珍しい理系のライターなので
せっかくだから、文章のふくらませ方を理系的に考えてみる。

基本スタイル1~5までの各項目のボリュームを比で表すと
1:1:2:1:1
くらいになる。
小学生の作文というと、だいたい原稿用紙3~5枚。
学年にもよるが、文字数にして800~1500文字くらいになる。
例えば低学年で、スタイルの1~3を書いて800文字にしたいと思ったら
200:200:400 くらいのイメージになる。
200文字というと原稿用紙の半分だ。
スタイルの番号ごとに
「原稿用紙のココからココまでで書いてね」というように子供に指導すると
ボリュームが目に見えるために子供もより書きやすいと感じるだろう。

読書感想文の書き方セミナー開講します

このような読書感想文の書き方を小中学生に直接教えるセミナーを
愛知県安城市にて開講します。

日時
2017年 8月2日(水) AM10:00~AM12:00 (小学生対象)
2017年 8月12日(土) PM 4:00~PM 6:00 (中学生対象)

場所
アンフォーレ3F グループ学習室6
愛知県安城市御幸本町12-1

詳細はこちらから
お申込み、お問い合わせ
電話:080-5819-9836
メール:r_ishikawa@mechawriter.com
または下記「お問い合わせ」より
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